日本の原子力施設全データ / 北村行孝,三島勇
日本の原子力施設全データ―どこに何があり、何をしているのか (ブルーバックス)
- 作者: 北村行孝,三島勇
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2001/09/20
- メディア: 新書
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書籍の方を図書館から借りて来たのでPDFの続きを読んだ。
PDF化されていないのは
- プロローグ 原子力前夜
- 第2部 日本の原子力施設データ
- 商用原子力発電所
- 原子力開発機関・大学・企業の研究炉
- 核燃料加工・再処理施設等
- 第3部 原子力事故と安全対策
- 第6章 原子力の課題――安全を守るために
- 第7章 原子力開発の将来
の辺り。
第2部を読むと商用の原子力発電所以外にも、多数の燃料サイクル関連施設・研究炉等があることが分かります。
やっぱり茨城県の太平洋岸とか青森の六ヶ所村辺りは施設多いなぁ、とか。
第3部の残り部分に関しては今まさに事故が起こってから噴出中の話がたくさん。
- 原子力行政の推進(内閣府の原子力委員会や経済産業省資源エネルギー庁(一部は文部科学省も))と規制(内閣府の原子力安全委員会や経済産業省の原子力安全・保安院)の緊張感が外部から見て取れない
- 規制行政の透明性、情報開示が足りない
- 「原子力のごく一般的な基礎知識」が足りないため風評被害が起こる(一般人に関する問題)
- 安全目標の設定と前提としての確率論的安全評価(PSA: Probabilitistic Safety Assesment)に対する取り組みが弱い
- 核燃料サイクル政策に対する課題(使用済み核燃料の処理)
- 廃炉にかかる時間
など。
2001年から10年経つけど、あんまり変わってないのかなぁ。
これも(↓)含めて。
平穏なときは原子力安全に対する予算が削減されがちで、事故が起こるとまた増えて、時間が経つと削減されるという繰り返しが続いている。
しかし、今回に関しては相当意識変えてかないとダメですね。
通常の廃炉で10年以上かかるのを考えると、今回の事態が安定するまでには、まだ相当時間がかかるはずだし、ちゃんと議論してかないとね。