虐殺器官 / 伊藤計画

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

虐殺器官 (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)

ちょっと文体がナイーブ過ぎるとこが趣味じゃないですが、面白かったです。
色んな小ネタっぽいのが織り交ぜられていたり、小道具へのこだわり方とかがシステム屋さんっぽい感じがします。
肝心の虐殺器官が虐殺の「文法」ということでバベル-17を思い出させますけど、ちょっと違いますね。
どちらかというとサイバーパンクに近い感じかなぁ。
ただ最後の辺りは実はやっぱり「文法」に考え方を規定されているのかな?と思わせたり。
(大義名分よりも本当は自分が見たい光景を実現しているんじゃないか=>「文法」に影響されてるんじゃないかということ)
嘘と現実が地続きになってる感じで、妙にリアルな感触を得られる良く出来た「お話」だと思います。